基調講演1
ソフトウェア工学における問題提起と
機械学習の新たなあり方
概要
機械学習を適用した分析アプローチの設計は従来のソフトウェア設計と異なりソフトウェア工学(要求分析、設計検証、品質保証、保守等)の必要性が語られることは稀でした。しかし昨今、アクセンチュアでも多くのIoT関連のユースケースが生まれつつあり、新たな課題認識が出てきています。データ分析プロジェクトは要求事項や設計仕様が、想定する成果と必ずしも連動するとは限らないため、大規模システムへのスケールアウトを意識したモデリングプロセスであっても、ウォーターフォール型では想定を満たせないことが起こります。そのため、イノベーション創発を期待した機械学習プロセスでは、イテレーションで段階的に検証するための導入として概念検証(Proof of Concept)アプローチが必須ですが、データの提供やドメイン知識の反映は、専門家や現場の理解と協力なしには進められません。本講演では、こういった課題認識に対して今後どのような方向性が考えられるのか、問題提起と機械学習の新たなあり方についてお話いたします。
工藤卓哉
アクセンチュアUSA, Data Science Center of Excellence グローバル統括
ARISE analytics Chief Science Officer (CSO)
【略歴】
1997年に慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア入社。2004年に同社退職後、米コロンビア大学院とカーネギーメロン大学院で修士号を取得。NY市で統計ディレクター等を歴任。その後アクセンチュアに戻り、現在は米シアトルを拠点にAIと機械学習領域における先端のアプライド・インテリジェンスサービスの開発、イノベーション・アーキテクチャの展開を支援するAccenture Data Science Center of Excellence グローバル統括を務める。